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絵の具紹介と混色見本<人物用6色>

混色見本

人物がメインになるとき用に厳選6色でパレットを作っています。それらの色の紹介と、2色同士で混色した時の混色見本を紹介します。たったの6色でも幅広い色が作れますよ。

人物を描くとき 厳選6色

人物がメインになる絵を描くときは大体この絵の具で描いています。人物の肌がきれいに見える暖色と、髪の毛を塗るとき用に混色して黒や茶色を作りやすい色の組み合わせにしています。人間の持つ色を重視しているため緑色は入っていません。(混色で作れます)

  • シュミンケホラダム(SH) カドミウムイエローミドル(PY35)
  • ホルベイン(H) ブリリアントオレンジ(PO73,PO62)
  • ホルベイン(H) キナクリドンマゼンダ(PR122)
  • ウィンザー&ニュートン(WN) ペリレーンバイオレット(PV29)
  • ホルベイン(H) フタロブルーイエローシェード(PB15)
  • ウィンザー&ニュートン(WN) コバルトターコイズライト(PG50)

上の6色だけで描いた絵たちです。6色だけでも結構色んな幅の色味の絵が描けますよね。

数ある絵の具の中から、どうしてこの絵の具を選んだのかの理由を混色見本とともに詳しく紹介します。

(*混見本の色は、スキャンの処理と見ている画面により実物とは異なった色味になっている場合があります。また、濃度や絵の具の配合割合にはばらつきがあります。)

SH カドミウムイエローミドル

三原色の一つ黄色枠。

真っ黄色!な絵の具です。スキャンでは表しきれないですが、とても濃くて発色が鮮やかです。色が鮮やかで軽やかなコミックイラストを描くときでも最高の彩度と発色が出せるよう、発色のいいシュミンケホラダムのカドミウムイエローミドルを選びました。

SHカドミウムイエローミドル × Hブリリアントオレンジ

ブリリアントオレンジとの混色を水で薄めることで、肌にピッタリな色味が作れます。

SHカドミウムイエローミドル × Hキナクリドンマゼンダ

こちらも混色を薄めると肌にピッタリな色味が作れます。黄~ピンク系の肌ができますね。また、いわゆる赤色も作ることができ、万能パレットになるために欠かせない組み合わせです。

SHカドミウムイエローミドル × WNペリレーンバイオレット

茶色を作るための組み合わせです。黄色い茶色~赤茶色まで作れます。褐色系の肌の色にもいいですね。

SHカドミウムイエローミドル × Hフタロブルーイエローシェード

緑色を作るための組み合わせです。暗めの緑色はほぼこの混色で作ります。植物の緑色は本当はもっと奥深いものですが、人物メインということで敢えて緑色は単純にしています。

SHカドミウムイエローミドル × WNコバルトターコイズライト

黄緑色を作るための組み合わせです。上の青色とだけでは作れない、可愛らしい明るい色味になります。

H ブリリアントオレンジ

黄色と赤の混色でも作れますが、彩度の高いものが欲しかったのと、肌色のために単色のオレンジを入れました。水で薄めてベースの肌色に使うことが多いです。水で薄めても黄色味が出ずに、元の色味と変わらない薄いオレンジ色になるのがよいところです。肌色は繊細なので、思っていた通りの色味になる絵の具を選びました。

ちなみに、なぜ上の画像のように色味が変わってしまうのかというと…。

混色オレンジは赤色の粒子と黄色の粒子が混ざり合ってできているため、濃いときと薄めたときでそれぞれの粒子の見え方が変わってしまい赤味や黄色味のバランスが変わってしまいます。一方、単色オレンジのようにオレンジ色の粒子だけでできている場合は変化が少ないということです。(ブリリアントオレンジは単一顔料ではありませんが、使われている顔料は全てオレンジの顔料です)

Hブリリアントオレンジ × SHカドミウムイエローミドル

(ちょっと失敗して混色部分の色が薄目に仕上がっています)ブリリアントオレンジが赤味のあるオレンジなのでこの色を起点に黄色で調整すると、彩度の高い赤味~黄色味オレンジがきれいに作れます。人物の肌や、花や果物にぴったりのきれいな色です。

Hブリリアントオレンジ × Hキナクリドンマゼンダ

黄色と赤で作る肌色より、肌のあたたかみのある絶妙な色味が作りやすいです。濃い色も、花や果物にピッタリの鮮やかでみずみずしい色合いです。

Hブリリアントオレンジ × WNペリレーンバイオレット

ペリレーンバイオレットと混ぜるとあたたかな赤茶色ができました。肌の影になじみやすい色味ですね。

Hブリリアントオレンジ × Hフタロブルーイエローシェード

この混色もよく使います。彩度の低い茶色~黒色ができるので、ナチュラルな髪の色にピッタリです。できる茶色は彩度の主張が強すぎず馴染む、名わき役の色味です。

Hブリリアントオレンジ × WNコバルトターコイズライト

グレー…というには彩度が高く、オレンジと水色が分離しているのでちょっと主張が強いです。面白い効果が生まれますが、人物の絵には馴染みにくいので、この混色はあまり使いません。

Hキナクリドンマゼンダ

三原色のマゼンダにあたる、青みのある赤色です。濃い色で塗るとどぎつい色ですが、薄めると愛らしいピンク色になります。混色に大変便利です。

Hキナクリドンマゼンダ × SHカドミウムイエローミドル

3原色同士の混色です。キナクリドンマゼンダはいわゆる赤色よりは青みが強いので、少し黄色を混ぜるとちょうど誰もが想像するようなTHE・赤色になります。

Hキナクリドンマゼンダ × Hブリリアントオレンジ

こちらの混色でもいわゆる赤色が作れます。多少、朱色っぽい感じですね。

Hキナクリドンマゼンダ × WNペリレーンバイオレット

近い色味なのであまり代わり映えしませんが…。キナクリドンマゼンダの彩度を少し抑えたなじみやすい赤紫にしてくれます。

Hキナクリドンマゼンダ × Hフタロブルーイエローシェード

三原色同士の組み合わせです。青みが強く、少し彩度が低い紫が作れます。

Hキナクリドンマゼンダ × WNコバルトターコイズライト

作れる色味は上の青色と似ていますが、水色が分離する分複雑な効果が狙えます。

WNペリレーンバイオレット

推し色! 彩度の低い中間色は適当な絵の具を混色すれば作れるので一見不要に思えますが…、赤味のある紫というか、茶色というか…、この複雑な色味を毎回混色で再現できるかというと難しいので、使いやすい色味の低彩度の中間色は重要です。

とても使いやすい色なんですよ。例えば、色肌になじみやすい陰色としてや、髪の色に良い茶色~黒色を作ることができるため私にとっては人物画に欠かせない色です。ステイン性が強くよく定着するので、先にこの色で影を入れると温かみのあるグリザイユ技法となります。

WNペリレーンバイオレット × SHカドミウムイエローミドル

髪の色に便利な茶色シリーズ。ペリレーンバイオレットもカドミウムイエローミドルも濃くて発色のいい絵の具なので、しっかり濃く塗ることができます。

WNペリレーンバイオレット × Hブリリアントオレンジ

赤っぽい方の茶色シリーズ。肌の陰色に使います。ブリリアントオレンジが肌色づくりの基本になる組み合わせなので、肌の陰色もこの組み合わせがなじみます。イエベの肌ですね。

WNペリレーンバイオレット × Hキナクリドンマゼンダ

赤味がある紫になるので肌の陰色に使うと、上のオレンジとの混色の陰色よりすこしクールなブルべ寄りの感じの肌になります。

WNペリレーンバイオレット × Hフタロブルーイエローシェード

2色混色で再度低めの黒が作れる貴重な組み合わせです! 髪の毛にいいですね。

WNペリレーンバイオレット × WNコバルトターコイズライト

上の青色との混色に似ていますが、水色が分離する分複雑なグレーに仕上がります。

Hフタロブルーイエローシェード

三原色の青色。黄色味のある青色です。青色は粒状化する色も多いのですが、肌を塗っているときに青色が粒状化するとブツブツの肌に見えて嫌なので、滑らかなフタロブルーにしました。風景などを塗るときには粒状化もすごく良いんですけどね。今回は肌ファーストで選んでいます。

Hフタロブルーイエローシェード × SHカドミウムイエローミドル

三原色同士の混色です。ちょっと明度が低いですが彩度の高い緑色がつくれます。

Hフタロブルーイエローシェード × Hブリリアントオレンジ

色の組み合わせはすでに折り返しに入っているので、実は上の方の組み合わせと一緒なのですが…。オレンジで紹介した時には茶色系になっていましたが、今回の混ぜ加減ではほぼ黒色ができましたね。混色は便利な一方、微妙な混ぜ加減の違いで同じ色を再現するのが難しいこともあります。中間色の単色絵の具のありがたみが分かりますね。

Hフタロブルーイエローシェード × Hキナクリドンマゼンダ

三原色同士の組み合わせです。きれいな紫が作れます。粒子の細かい青なので、ウルトラマリンやコバルトブルーのように分離することもありません。

Hフタロブルーイエローシェード × WNペリレーンバイオレット

黒~紺色ができます。青色の鮮やかすぎる感じを抑えて、服によく使われるような上品な紺色にしてくれます。便利です。

Hフタロブルーイエローシェード × WNコバルトターコイズライト

似たような色合いなのであまり代わり映えしませんが…。水色が分離しても悪目立ちせずに、ほどよいニュアンスを与えてくれるのが良いですね。

WNコバルトターコイズライト

推し色!! 粒状化する緑色がかった鮮やかな水色です。上のほうの混色見本で見えていた通り、混色して塗ると後から分離して水色を主張してきます。そのため、混色で使うことはほぼないです。混色では使いにくい一方、下塗りのときに雰囲気仕込みのために薄く部分的に乗せると、透明感のある絵に仕上がります。

上手に仕込めば、肌に静脈が透けているかのような透明感を与えてくれてリアル寄りの人物の表現にとても良いです。ただ、多用しすぎると顔色が悪いし、仕込む場所を間違えると水色がブツブツ浮いてきて青髭にしか見えなくなります(泣)

WNコバルトターコイズライト × SHカドミウムイエローミドル

メロンソーダのような可愛らしい黄緑色ができます。コバルトターコイズライトは粒状化色のため、水色の粒子が分離しています。この色見本は60°くらいに斜めに立てかけて塗っていたので、水色が下に凝集しています。

WNコバルトターコイズライト × Hブリリアントオレンジ

水色が分離する茶色が作れました。肌色に使うには、粒状化の主張が強く使いどころは難しそうですが、ちょっとざらついた金属の表現などができるでしょうか…?

WNコバルトターコイズライト × Hキナクリドンマゼンダ

ざらついた紫がつくれます。不健康そうで肌には向かない色ですね。

WNコバルトターコイズライト × WNペリレーンバイオレット

粒状化しても違和感があまりなくきれいに感じられる組み合わせですね。コバルトターコイズライト多めでできるグレーは淡彩の場合、髪の毛の色に使えば透明感のあるいいグレーなのではないでしょうか。

WNコバルトターコイズライト × Hフタロブルーイエローシェード

粒状化しても目立たない組み合わせです。コバルトターコイズライトは緑よりですが、少し青が入るとトルコ石のような色にもなりますね。

終わりに

つ、疲れた…

たった6色の組み合わせといえど、配合違いで3種、濃度違いで3種作ると何通りあるんでしょう…。図鑑を作っているような気持でした。

この混色見本の原本は一枚がB6サイズ程度のものなので、クリアファイルにいれていつでも見られるようにしています。実際絵を描くときに、どの色味にしようか参考にしたり、作りたい色があるときに調べたり…。とても活用しています。

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