先日、長年の友人の結婚式に招待していただきました。友人のドレス姿がとてもきれいだったので、お祝いに絵を描いてみました。その絵の制作過程を紹介したいと思います。
「いわい」
こちらの作品が出来上がるまでの製作過程の記録をしていきます。
使用画材
紙:ランプライト 300g厚
水彩色鉛筆 下書きと線画には水彩色鉛筆を使っています。下書き用の水彩色鉛筆はファーバーカステルのゴールドファーバーを使用しています。非常に水に溶けやすいため、後から水を塗るとほぼ見えなくなります。逆に線画には、水を塗っても溶けにくい硬質の水彩色鉛筆スタビロのオリジナルを使っています。油性の色鉛筆のように主張が強くなりすぎないので気に入っています。
構想
結婚式に参加した時、新婦がとても綺麗で感動したので絵にしたいと思いつきました。
ラフ 全体の構図を決めました。視線の先には新郎がいるというイメージと、視線の先を広くとることで今後の未来が広がっていく感じを表現したいと思い、人物を中央ではなく右に寄せて視線の先に空間を取りました。
着彩ラフ 結婚式の季節が秋だったことと、お色直しのカラードレスがブラウンでシックな感じが素敵だったのでその色合いを取り入れたいと思いました。
ちなみにオレンジのバラの花言葉は「絆」「幸多かれ」などがあるそうです。
線画~下塗り
線画 あまり線は書き込まずに背景に溶け込むようにしたかったので、水彩色鉛筆の茶色で書きました。(水彩色鉛筆と言っても色が残るタイプです)バラはこの時点では書かず、人物だけ線を入れています。
下塗り
①全体に水を引いて少し待ち半乾きの状態にします。(紙が水分を含んでいる方が乾きが遅くなるため)
②平筆でざざっと色を乗せていきます。淡い色から載せていきました。あまり形にこだわらずに自然な色の広がりを楽しみます。
本塗り
本塗① ハイライトを残しながら固有色を入れます。8号の筆(アクアレッロで)大体塗ります。
本塗② 人物が淡い色合いに対して、背景に濃い色が乗る予定なのでバランスが取れるよう人物も背景も同時に進めます。葉っぱの緑を人物の顔まわりに配置して、顔が背景に沈まないように調節しました。
本塗③ 集中しだすと記録を取るのを忘れるので一気に進みました。
仕上げ 人物の後れ毛や手元のブーケの影を細い筆で書いていきます。埋もれそうなところは油性の色鉛筆で線画を補強しました。
完成!
完成した絵を額縁屋さんに持って行き額装してもらいました。
ウェディングの豪華な感じにしたかったので、金のデコラティブな額(額縁のタカハシ一般額 8233)と布調のマットを選びました。新婦のドレスに色を乗せすぎてしまっていたので、マットはグレーにすることで、新婦のドレスの白が印象づくようにしています。
最初から額装して友人にプレゼントしようと思って取り掛かったので、原寸大着彩ラフ、ボツを経由して作品ができました。結構ハイカロリーめの工程でした。
反省
額にいれることを想定して絵を描こう!
プレゼントする予定だったのであまり大きな額は邪魔かと思い、インチ額(254×203mm)にいれようと考えていました。
マット幅を45mm位とれるよう逆算して絵を描きはじめたはずだったのですが、段々塗っているうちに絵のサイズが広がり、額縁屋さんでインチ額では窮屈に見えました。そこで、もう少し大きい八つ切りサイズ(303×242mm)になりました。邪魔じゃないかドキドキです…。
額装は慣れていないので、サイズ見る用にマットを買っておいてサイズ感を見ながら描こうと思いました。