3月27日より、ぎゃらりぃあと様(大阪府)にて公募グループ展「Series XYZ」に参加いたしますので、展示予定の作品などを紹介します。
「Series XYZ」まやかし×カーテン×夜明け前
日付:2024年3月27日(水)~31日(日)
営業時間:13時~20時 (日曜日18時まで)
入場料:無料
場所:ぎゃらりぃ あと(大阪市北区黒崎町14-19)
展示のタイトルにある「XYZ」とはカクテルの1種であり、「これ以上ない、最高のカクテル」という意味がこめられているそうです。私の絵はまだまだ未熟な部分も多くあり、最高を名乗るにはまだ恐れ多い展示タイトルですが、展示を通して自身の最高到達点を更新していきたいと思い応募しました。
↓の画像は公式フライヤーです。他の作家さんの素敵な作品も多数展示されるグループ展です。ギャラリーさんの方で用意していただいたフライヤーが、ロゴがカクテルをかたどっていてとっても素敵ですね!
↓展示の公式ページです。展示詳細(販売など)はこちらをご参照ください。
テーマについて
公募展テーマは「まやかし×カーテン×夜明け前」でした。どのモチーフも、確かな形を持たずにふわふわと揺れ動いて絶えず形を変えていくものです。
絵を描く際も、なんとなくのイメージは頭の中に浮かぶものの、そのイメージはとらえどころがなくて絵に落とし込むのに苦労しました。今回の展示のために、額装作品新作3点とフレームレス原画新作3点を描きました。全て「夜明け前」を一番の着想イメージにして、いろいろな形で「カーテン」を描いています。「まやかし」は…、ちょっと要素が薄くなってしまいました。(笑)
「エンデュミオン」
今回の展示のメイン作品です。
ギリシャ神話に出てくるお話をモチーフにしました。眠る羊飼いの美少年エンデュミオンに恋した月の女神は、自分が存在していられる夜の間だけその寝顔を眺めていました。しかし、人間のエンデュミオンと不老不死の月の女神では流れる時間が異なり、エンデュミオンはいずれ老いて死んでしまいます。月の女神は、その愛しい寝顔を永遠に愛せるよう、エンデュミオンに不老不死の永遠の眠りを与えました。
好きになった相手に対して「守ってほしい」とか「愛の言葉をささやいてほしい」など自分に何かを与えてくれることを望むわけではなく、好きな相手がただ存在してくれれば良いと相手の存在自体を愛した月の女神は純愛の権化のようにも思えます。一方で、相手の生き方を無邪気にゆがめ、相手を束縛する呪いの権化のようでもあります。
写真では一部しか伝わっていませんが、夜空と女神のドレスには見る角度で色の変わるラメ絵の具を使用しています。角度を変えながらみると、面白いと思います。
見る者によって受け取り方の違う、呪いのような。愛のような。そんなとらえどころのない場面を描きました。
「朝におはよう」
朝をイメージした女性が、カーテンの向こう側から優しく迎えに来てくれる様子を描きました。金色の額にマットのフチにも金縁をつけて、ピカピカの一日が始まります。
夜明け前のSNSのタイムラインでは、朝型の人間が「おはよう」と言って起き出してきて、夜型の人間は「おやすみ」と言って寝ようとしています様子が見られます。
朝型と夜型という、真反対の性質を持つ人たちが交錯する「夜明け前」を次に続く2枚の連作で描きました。
「夜におやすみ」
夜をイメージした女性が、カーテンの向こう側へ姿を消す様子を描いています。銀色の額に、黒芯の銀色のマットでしっとり仕上げました。色も構図も、1枚目と対になっています。2枚並べると楽しいです。ぜひ、展示会場で見ていただけると嬉しいです。
フレームレス原画「フラワーカーテン」シリーズ
夜明け前、と聞くとどんな気持ちを思い起こすでしょうか。
暗い夜が明けて新しい一日が始まる、ポジティブなイメージのある言葉ですが、「ああ、朝が来てしまう。どうかもう少しこのままでいさせてほしい。」とため息をつきたくなるときもありますよね。特に、月曜の朝には来てほしくない方も多いのではないでしょうか。
そんな夜明け前の儚い祈りを覆う花のカーテンを描きました。モチーフの花は、どれも夜にだけ咲き、明け方にはしおれてしまう花です。
フラワーカーテン / マツヨイグサ
マツヨイグサの花言葉に「浴後の美人」という言葉があります。なんだか色っぽいですよね。髪の毛の色がつぶれてしまってよく見ませんが、濡髪の女性を描いたつもりでした。
彼女にとっては、「夜明け」=「愛しい人との逢瀬の終わり」。愛しい人と離れたくなくて、夜明けが来ないことを切実に祈っています。
フラワーカーテン / 月下美人
月下美人の花言葉のなかに 「艶やかな美人」というものがあります。そこからイメージして、妖艶な紫色で画面をまとめました。
彼女にとっては、「夜明け」=「自分の美しさの終わり」。いつまでも美しくいられるよう、自分の美しさに酔いながら、夜明けが来ぬことを祈っています。
フラワーカーテン / ヨルガオ
ヨルガオの花言葉は「儚い恋」。可愛らしいハート型の葉っぱを持っていますが、絵の中では、どの葉っぱも見切れるように描き、恋が成就しないことを表しました。
彼女にとって「夜明け」=「成就しない恋の終わり」。かなわぬ恋は辛いけれど、終わってしまうのはもっと辛い。いずれ叶わず終わる恋でも、それでもまだ、夜が明けませんように。そんな痛みを抱えて祈っています。
今後の活動について
制作した順は、「エンデュミオン」→「朝におはよう」「夜におやすみ」→「フラワーカーテンシリーズ」と、サイズの大きい順に描いていきました。
最初の方は大作品の気負いがありましたが、最後の豆色紙のフラワーカーテンシリーズは、気負いなく描くことができました。描いていく中で空想が膨らみ、自分と画面の間に物語が生まれてくる感覚があり、とても楽しく描けました。
展示も続けることで変な気負いがなく、のびのび描けるようになると思いますので、今後も展示参加を続けていきたいですね。あと、自家販売も体制を整えたい…!