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ホルベイン分離色全24色 作画例つき色見本

画材

分離色を使った場合に、絵の具の違いで絵の印象がどう変わるのかを比較したくて、同じ線画で24色を塗ってみました! さらには、プラス一色として黒と合わせた場合も塗ってみましたので、48匹ワンちゃんができあがりました…(笑)

ホルベイン分離色「グラニュレーティングカラーズ」

絵の具自体についてはこちらの記事でも解説していますので、ここでは割愛します。(↓)

単純に色見本というつもりで同じ🐺の線画を塗ってみたのですが、色が違うとかなりイメージが変わるなあと思いました。

そこで今回は、同じモチーフを描いても絵の具が変わったときに絵の「印象」がどう変わるかについてフォーカスしてみたいと思います。各色、キャラクター性を表すイメージワードを付けてみました。

印象については個人の感覚による部分が大きいと思いますが、それぞれ皆さんが共感するイメージ、違ったイメージを持つ色など、感性の違いを楽しんでもらえると嬉しいです。

作画例に使用した紙はすべてヴィフアール中目で塗りました。また、スキャナした画像をもとにカラーピッカーを用いて、一部の色を抽出して右側にスポットしました。分離色の持つ複雑な色合いを理解する参考になると幸いです。

さらに、分離色単色+黒一色でも描いてみたパターンもつけてみました。黒に一色プラスするだけでも、分離色なら複雑な表情が生まれます。

ちなみに、同じ線画で、同じ人間が塗っているのに、驚くほど個体差ができてしまいました。たまに変な顔のワンちゃんがいますがご愛敬…(笑)

アキクサインコ( PY159, BV10, PR122 ):アイドル

蛍光色で主張の強いピンク色がメインで、黄色がところどころに分離して姿をみせます。濃淡だけで描いてみると、濃色はかなりきついピンク色になりました。その一方で、薄く塗ると可憐な薄ピンクでとてもキュートな表情を見せてくれます。強さと愛らしさを併せ持つアイドルのような印象です。

黒を追加してみました。黒と重ねても負けないピンク色の存在感がすごいです! 黄色成分はピンクと黒に負けて、あまり目立たなくなりましたね。ちょっと病み系アイドル感が出てきました(笑)

ノウゼンカズラ( PY159, PR177 ):幼馴染

赤と黄に分離する赤茶色の絵の具です。濃淡だけで、レトロ可愛い雰囲気に仕上がりますね。ほっとするような雰囲気の色でとてもキュートで、いつもそばにいてくれる幼馴染を連想させます。

黒を加えても暖かい絵に仕上がりました、黒もノウゼンカズラと混ぜると、かなりセピアな色合いになりますね。一部に滲む黄色が、よりレトロ感を演出します。可愛らしい仕上がりですね。

サクラ (PR233, PO73, PW6 ):深窓の令嬢

ピンク色の濃淡がゆらぐ繊細なパステルカラーの絵の具。濃淡であまり階調の幅が出ないので、単色だけで描くのはかなり厳しいものがありました。色の繊細さ、その扱いの難しさから深窓の令嬢をイメージしました。

黒を加えると、カッコかわいいイマドキの色使いになりました。スキャンでは分かりづらいのですが、この絵の具の持つ不透明感が、黒ととてもマッチして絶妙なくすみカラーの絵に仕上がりました。

フラミンゴ ( PR233, PO73 ):タフガイ

くすんだピンク色がザラザラした質感とともに分離する、朱色の絵の具です。色自体はキュートですが、ザラザラした質感がすこしハードな雰囲気を加えて、独特の迫力が生まれました。線画より広く塗ってしまったせいもあるかもしれませんが、なんだかマッチョでタフな印象です。

黒と合わせても、朱色が負けない! ザラザラした質感も相まって、よりタフさ迫力が増しました。

月食 ( BV7, BV15, PY110, PR122 ):孤高の存在

スキャナでも、写真でもきれいに色が再現できない不思議な色…、実物でしか本性を現さない感じが孤高の存在、という感じです。実物は、スキャナ画像と、カメラ画像(右上)の中間のような色合いです。レンガのような力強い赤茶色から、優美なマゼンダが分離して、とても雰囲気のある色です。

黒を足してみました。月食単体でかなりカッコいい色ですが、黒を合わせるとそこにクールさが加わりますね。

ススキ ( PR233, PY43, PY83 ):成功者

ススキ野原のような黄金色が美しい絵の具です。輝かしいゴールド色で、栄光や富を掴んだ成功者のような強者の印象を醸し出します。黄色は濃淡で階調の差が出しにくいので難しいかと思いきや、意外と一色の濃淡だけで表現できました。

黒を足すと、なんだか一気に庶民感がでて、ヤンキーな色合いになってしまいました(笑) でも、動物の毛色としてはかなり良い組み合わせですね。

満月 ( PY159, PY42, PBk6 ):聖職者

お寺にある金色の仏具を思わせるような渋い青金色の絵の具です。彩度と明度が抑えられた色味にストイックさを感じて、聖職者のような雰囲気になりました。

黒が入ると和の趣が増したように思います。落ち着いて安らぎのある色合いですね。お寺の僧侶のような感じでしょうか。

ウグイス ( PG17, PY42, PY43 ):隣人

抹茶のような落ち着いた緑色に、一部青緑が分離して爽やかです。親しみやすい、善良な隣人のような印象になりました。

黒を足すと、単色の時より芯の強さを感じる絵になりました。この色合いの黄緑+黒ってなんだか新鮮な組み合わせですね。精神的な強さを感じる色です。

ミモザ ( PY159, PB29, PG17 ):繊細さん

すこしグレーがかった緑色に、ところどころ青色と黄色が顔を見せます。とても複雑できれいな色ですが、発色が柔らかめで、単色で描くのにかなり苦労しました…。ウグイスと近い緑色ですが、発色の柔らかさとザラザラした質感が、他者をよせつけない繊細な印象を際立たせます。

黒を足すと、もともとの絵の具がもつ繊細な色合いがかき消されてしまって迷走しまいました。難しいですね~。これはこれで強そうな感じになりましたが、もともとの繊細さがなくなってしまいました。

深い森 ( PY43, PG50 ):神仙

輝くエメラルドのような素敵な青緑の絵の具です。意外と単色でも描けました。そして、なんといっても単色の濃淡が繊細で美しい…! 清廉な印象から、人の手の届かないような森の奥深くに、穢れを知らずひっそりと暮らす神々や仙人をイメージしました。

黒を合わせても、絵の具の持つ鮮やかな青緑色の美しさが負けません。より神秘的な雰囲気が増しました。

クジャク ( PY159, PR232, PG7, PB15 ):シャーマン

薄く塗ると深い森に似た澄んだ薄緑ですが、濃く塗った部分の濁色に只者ではない印象が滲みます。紙のキメに溜まる黄土色には、まるで色鉛筆で塗った時のような温かみのある質感があります。一色の中に清さと濁りが共存して、冷たい色なのに温かい、不思議な色からシャーマンをイメージしました。

黒を足してみましたが、黒色が濃すぎるせいもあり黒が勝って、単色のときにみられた複雑な色味・質感が隠れてしまいました…。

大海 ( PY159, PB15 ):哲学者

陽光差す海のような絵の具で、分離する黄色が海が揺らぐ様子に似ています。薄く塗ると青色がさわやかで、濃く塗ると深海のような青緑色に吸い込まれるような気持ちになります。思索にふける哲学者のような深みを感じます。

こちらも、絵の具の複雑なニュアンスに黒色を追加することで迷走してしまいました。黒を入れても、青色の爽やかさが負けません。

ヒスイカズラ ( PV47, PG7, PB15, PW6 ):プリンセス

水色にネオンライトが点滅するようにマゼンダが分離する、今時のオシャレなカラーです。彩度の高い水色とマゼンダがおとぎ話のようなロマンティックさがあって、女児心をくすぐりますね。空想の世界のお姫様を連想します。

黒色が入ると、少し年齢が上がってオトナな雰囲気になりました。黒に負けない鮮やかな水色とマゼンダが個性を主張していますね。

宵 ( PG50, BV7, BV15, PB60 ):粋人

潔い青色が目を引く鮮やかな一色です。分離しているかは分かりにくいですが、一本筋の通ったような気持ちのいい青色で、華やかさでありながら凛としてして、粋な雰囲気に仕上がります。

黒色を入れても、青色が負けません! よりクールさが増しました。黒と合いますね。

クレマチス ( PY159, PB29, PV23 ):ノスタルジア

紫色をベースに、一部に黄色っぽい色が浮かび上がる不思議な色です。ところどころインクだまりのように浮かび上がる黄色に、なんだか懐かしさを覚えるのは私だけでしょうか…。見ていると温かい気持ちになります。

黒色が加わると、分離した黄色は隠れてしまいまったせいで懐かしさが消えてしまいました。黒と紫でなんだか悪そうな雰囲気になりましたね(笑)

地球照 ( PB29, PR177, PR122 ):小悪魔

ピンクっぽい紫色に青色が分離するみずみずしい色です。ブドウなど果物を描くとジューシーそうでよさそうと思っていましたが、生き物を描くとなんだか妖艶な小悪魔的雰囲気になりました。

黒が入るとより妖艶さが増した感じがします…。よい組み合わせですね。


薄明 ( PV47, PR233, PO13 ):恋煩い

ただかわいいだけじゃない、個性的なピンク色。ザラザラした質感と、分離するオレンジとマゼンダが個性的です。かわいいのに、ちょっと物憂げでかわいいだけじゃない、とても好きな色合いです。

黒と合わせても、絵の具の個性が負けず、ザラザラした質感と複雑な色味に存在感があります。黒が入ると、物憂げさが増しました。

暁 ( PG50, PO73, PR254 ):カリスマ


朱色のようなオレンジと水色が共存する不思議な絵の具です。落ち着いた茶色の中に、一見場違いなようで絶妙にマッチする水色が浮かび上がるのが一癖効いて、カリスマ性を感じました。単色の濃淡でさらっと描くだけで、普通ではない印象を与えます。

黒を足すと、分離した水色が隠れてしまいました…。黒が入ると、より抑制的な雰囲気になって、ミステリアスさが増しましたね。

カケス ( PB29, PG18, PO73 ):妖術使い

このシリーズの中で一番大好きな色です。紫っぽい茶色から分離する青色がたまらないですよね…。複雑な色味もあいまって、一言で言い表せない複雑な雰囲気の迫力のある絵になりました。恐ろし気でありながら、薄く塗ったオレンジ色は優しいような…。妖怪のような不思議な絵になりました。

単色の雰囲気だけで十分好きすぎて、黒を足して迷走しました…。黒が入ると、微妙なニュアンスが消えて、より怖そうな雰囲気が増したように感じます。強そうな、悪そうな絵になりました。

朧月 ( PY159, PBk6, PB15 ):風流人

闇夜を思わせる黒色に、月光のような黄色が分離する不思議な色です。ほとんどモノクロの雰囲気のなかに、アクセントで黄色が入って和風の趣が風流でカッコイイ雰囲気ですね!

今までの流れに乗って機械的に、黒色に黒色を足すという訳の分からないことをしました。当たり前ですが、同じ雰囲気の仕上がりです(笑)

ルリタマアザミ (PB29, PG17 ):ジェントルマン

緑っぽい灰色~黒の絵の具です。薄く塗った時の清涼感あるグレーがオシャレですね。単色の濃淡だけでも、色が分離してモケモケした質感が印象的です。とてもクールな仕上がりになりました。

黒が入ると、絵の具の色味が際立ってみえますね。薄く塗った時は意外と青みが強く感じます。黒が入ると引き締まって見え、ミステリアスさの中にも芯の強さを感じます。

ハシビロコウ ( PB71, PB29, PBk11):ボディガード

青っぽいグレーと、特徴的なザラザラ、ゴリゴリした質感がとってもハードな雰囲気です。凍てつくようなクールで寡黙な感じが、頼れるボディガードを連想させました。

黒を入れるとより、近寄りがたさが増しましたね! スキャン画像よりも、実物の方がザラザラ質感の主張が強く、すごく頑固なキャラクター性をもった絵に見えます。

月夜 ( PB29, PBk6 ):貴公子

色合いはハシビロコウに似ていますが、ザラザラした質感がない分、落ち着きと高貴さがにじみ出ます。色合い自体は、紺色からグレーの馴染みのあるグラデーションに安心感を感じます。ちなみに、48匹の中で一番上手に顔が描けたと感じてお気に入りの絵です。

黒色が入っているので、黒を足しても…と思いましが、結構雰囲気が変わりましたね。黒色が増えるとちょっと、近寄りがたさが増しました。

雨夜の月 ( PB29, PR101 ):思索家

カケスよりも黒色が強めの色合いです。モノクロに近いのに、少し色味のある黒からグレーのグラデーションが優しげで落ち着きます。こっそり分離する別の色に、心の赴くままに思いを巡らせる思索家をイメージしました。

黒を足してみると絵の具の持つ紫や青など、色味が強調されたように感じます。分離した色のモヤモヤした色合いが面白いです。

終わりに

最後までお読みいただきありがとうございました! 同じイメージを持っている色、違うイメージだった色はありましたか?

同じ線画で塗ってみたことで、色の持つキャラクター性がより強く感じられて、イメージが膨らみました。次はこのイメージを生かして、他の色とも組み合わせて絵を描いてみたいです。

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